目次
日時
2020年11月5日 9:00~16:00
場所
〒530-0014
大阪市北区鶴野町1番5号 関西大学梅田キャンパス
主催
関西大学梅田キャンパス
共催 : (一社)食品品質プロフェッショナルズ
参加費
8,000円
食品品質プロフッェショナルズ会員は4,000円
ご入会はこちら
定員
最大20名まで
詳細、申し込みURL
https://www.kansai-u.ac.jp/umeda/event-seminar/merise/2020.html
HACCP基礎研修(衛生管理計画を作ってみよう講座)を開催して
2020年11月5日に 大阪 関西大学梅田キャンパスで実施しました。今回も 様々な業種の方々が来訪、実際に 「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を導入するのにはどうしたらいいかわからないと悩みこんでいる方々や 新入社員教育の一環として会社が送り込んでくれたという方 もう一度基礎から学んでみたいとブラッシュアップ目的でいらっしゃった方まで 参加の動機も様々でした。
他の団体とは異なり 「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」水準だからといって 在りものの手順書の中の衛生管理計画をコピペしてくるだけでは ほとんど事故の防止はできません。なによりも 自分たちでよく考えて危害要因分析をし、中でも 自分たちが本格的に取り組むべき課題は何なのかを峻別し、それをサポートすることができるような衛生管理計画に組み替えていかないとダメ! と冒頭からやられたので 多くの参加者は面食らったことでしょう。しかし 計画を作り それを実践してくのですから 従業員を無駄な 役に立たない方向に誘導するのは犯罪ですらあります。HACCPが本来リスクマネジメントであることを考えると 組織を無駄な 間違った方向に引っ張っていくというのは リスクをわざわざ買いに行くようなものですので。
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豆腐協会作成の手引書を下敷きに議論を進めていきました。豆腐協会の手引書は セレウスを重大な危害要因と特定した点では 刮目して見るに値するものです。本当にセレウスが 街の豆腐屋が本気で取り組むべき危害要因であるなら この手引書こそが 間違いなくバイブルです。
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しかし 本当にセレウスが 我々が努力を傾注すべき対象なのでしょうか。過去の分析を参照すると 市販されている豆腐では 大腸菌群どころか 大腸菌の発見率も高く 多くの消費者が豆腐を冷ややっこで食するとすれば 腸管出血性大腸菌は ほとんど隣り合わせの危機なのです。
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それに対して セレウスでは 死者が出るわけでもなく 重篤度は低い。そして 街の豆腐屋の動画を複数見てみると 従業員の健康管理・個人衛生管理の重要性が強調されているものは一つもなく その日常作業の中では 豆腐のつけ置き槽に手をつっこんだり 豆腐を手の上で転がしたりと 交差汚染による腸管出血性大腸菌の豆腐への移転の可能性はそこらに満ちています。また 街の豆腐屋規模で 充填豆腐のような 最終工程での熱殺菌は期待できません。
ごく少数の腸管出血性大腸菌が豆腐にくっついただけでも 重篤な症状に見舞われ 後遺症を背負い込んだり 死亡にさえ至ることがあるですから 腸管出血性大腸菌こそが 今そこにある危機ではないでしょうか。こういった観点から 衛生管理計画を組みなおしていくと 原型を残さないほどに違ったものになっていきます。
参加者の皆様には この様な過程を通じて 危害要因分析の大切さ そして危害要因分析で特定した 重大な危害要因にこそ 対策を集中すべきという思考法を学んでいただきました。
文責:広田鉄磨
参加者からのコメント
検査会社 営業
具体的かつ現実感のある説明で とても分かりやすく 勉強になりました。今後の お客様からのご相談対応時や 監査の折、監査のレビューの折などに活かしていきます!ありがとうございました。HA、CCPの設定するポイント、優先順位のつけ方は とても大切だと改めて実感しました。
総菜製造 品質保証
今回のセミナーを受講して 汚染区 非汚染区をまたいでいるなど 守られていないことがいくつかあることを改めて気づかされました。何が製品に対して悪影響を与えるのか 工場の中をよく見て 今日学んだことを実際に活かしていきたいと思います。貴重なお時間ありがとうございました。