食品工場の虫混入対策と歴史

食品工場の虫混入対策と歴史

まだプロテインバーで虫が出たことへの投稿がかまびすしいので…

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日本の製粉業界では 殺卵機を使います。殺卵機という名称を使うかどうかといえばエントレーターと呼んでいることろがおおいのではないでしょうか。簡単に言えば 小麦粉をぶちたたいて その中にある虫の卵をつぶす機械です

殺虫・殺卵機『IE型/MIA型 インラインアタッカー』

ずいぶん前ですが 大学の授業中に「卵をたたいてつぶしているから 小麦粉に虫が湧かなくなった」と説明したら 「オエーッ」という反響が 特に女子学生から。あんたらはねえ 食品に虫が湧いたのを見たことがない世代だから 「オエーッ」かもしれないが ワシらの若いころは 米櫃をあけるとコクゾウが チョコレートでもたまにはメイガの卵やら幼虫が湧いとったんじゃぞ と説明すると ますます「オエーッ」。

幸せな世代なのか不幸な世代なのか・・・食品は自然から切り取ってきた素材で作られるので そこには自然由来の虫が紛れ込む。よしんば紛れ込むのを抑えきっても 食品工場には または陳列している商品には 虫が「鵜の目鷹の目」で目をつける。そりゃあ 放っておかんだろう 好物が積み上げられてるんだもん。人類は 長く虫との闘いを続けているが 決して完勝したことはない。ちょっとうっかりしてりゃ すぐ虫の発生。何万トンも廃棄したのなら フードロスとしては問題視されるだろうけど、しかし 何百キロくらいの損害は しょっちゅう起きている。人間は この頼りない大脳で物事に対処するが 虫はもっと確かな本能と数をもって攻めてくる。向こうのほうが一枚も二枚も上手。虫の偉大さを知らないのは まったくの不幸。虫ゼロを目指すとなると 設備投資がうなぎのぼり それは 必ず価格に反映されていく。

チョコレートでいえば ローラー掛けでいったんはメイガの卵をつぶしてしまえるが(女子学生 ハイッ「オエーッ」タイムですよ) その後の工程には ありとあらゆるところにメイガが潜んでいる。人間がやれるのは 掃除に掃除に掃除、ありとあらゆるメイガの巣になりそうなところをつぶしていくだけ それでもまれには卵をうみつけられちゃう。また 商品を陳列していると そこには 成虫もいれば幼虫もいて 包装を食い破って入ってくる。うまいもんな チョコレートは。昔 チョコレートには 比較的分厚いアルミ箔を巻いていたのは 食い破られないため。大丈夫かなあ 最近 包材が薄くなってくているし エコとか言って丈夫なプラスティックを排除している。女子学生諸君 そのうちチョコレートあけたら はいこんにちは と虫が出てくるのが常識になるかもね

文責 一般社団法人 食品品質プロフェッショナルズ
代表理事 広田鉄磨

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