ポイント
食用油脂は「調味料」であり「素材」です。だからこそ、扱いひとつで風味も価値も変わります。管理を誤れば酸化が進み、青臭・油やけなどのオフフレーバーが生じ、商品の信頼は容易に損なわれます。
解決の鍵は、油を替えるだけではありません。原材料の選択、加熱条件、酸素・光・水分の制御、設備と衛生、そして包装・保管——工程全体の設計です。対症療法ではなく全体をリデザインすることで、品質の安定化・歩留まり向上・返品低減・コスト最適化・ブランド毀損リスクの抑制を同時に実現できます。
本セミナーでは、30年以上“油”と向き合ってきた実務経験にもとづき、原因の見える化(評価指標)→現場で直す → 仕組みにするまでを、現場で実践できる手順としてお伝えします。劣化は管理できる現象です。明日から使える技術と実装の勘所をお持ち帰りください。
プログラム
概略
第1章 | 食用油脂の基礎 | 分類/役割/管理指標/油種特性と用途/製造/微量成分/最新動向 |
第2章 | 劣化の基礎 | 自動・熱・光酸化/脂肪酸別の酸化性/油種差/促進因子/毒性の見方 |
第3章 | 防止技術 | 評価指標/基本5項目/衛生管理/適正使用・換油/加熱安定油/抗酸化剤/包装材/脱酸素/寄与成分/劣化臭対策/n-3油の抑制/技術動向 |
詳細
- 食用油脂の基礎知識
- 油脂と脂質
- 食用油脂の分類
- 食用油脂の生産量
- 食品における役割
- 化学・物理的管理指標
- 各種油種の特性と用途
- 油脂に含まれる微量成分
- 油脂製造方法
- 食用油脂に関する最近の動向
- 食用油脂劣化の基礎知識
- 自動酸化
- 熱酸化と熱劣化
- 光酸化
- 各種脂肪酸の酸化特性
- 各種油脂の劣化特性と違い
- 劣化の促進因子
- 酸化・劣化油脂の毒性
- 劣化防止技術
- 劣化指標と評価
- 劣化管理のための基本5項目
- 油の劣化と衛生管理
- 劣化防止のための適正使用方法と管理
- 加熱安定性の高い油脂の活用
- 抗酸化剤による劣化防止
- 包装材による劣化防止
- 脱酸素による劣化防止
- 劣化防止に寄与する成分
- 劣化臭の抑制
- オメガ3系(n-3)脂肪酸含有油脂の劣化抑制
- 劣化抑制に関する技術動向
日程
2026年2月16日(月)
時間
13:00~14:00
途中1時間の昼食休憩。持ち込んでいただく質問が多ければ 最長で16:30まで延長可能
場所
北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟W309教室
〒060-0810
北海道札幌市北区北10条西7丁目
料金
- 16,000円(税込)
- 紹介コードあり 15,000円(税込)
- 会員またはその代理 13,000円(税込)
定員
最大50名
主催
講師
中谷 明浩(Akihiro Nakatani)
中谷技術士事務所・代表技術士/合同会社ノースDXラボCTO|技術士(農業部門)/JRCA登録:FSMS審査員補(ISO 22000)|北海道旭川市出身、1973年生。
(株)J-オイルミルズにて生産技術、研究開発、知的財産の各部門を計25年経験。2018年に横浜市から札幌市へ移住し、食用油脂と知財情報実務を支援するコンサルティング事務所を設立。油脂の劣化防止・品質設計・生産技術、ISO 22000関連の審査に従事。「食用油脂と知財情報実務の水先案内人」として国内外の課題解決に取り組む。
Web:https://nakatani-peoffice.com
お申込み方法
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