衛生プロバイダーから見た包材ポジティブリスト化への対応 ~成分分析と衛生監査~【月刊アイソス】

衛生プロバイダーから見た包材ポジティブリスト化への対応 ~成分分析と衛生監査~【月刊アイソス】

包材のポジティブリスト化は、食品衛生法の一部改正に伴い、HACCPの制度化と同様、食品業界から注目されている改正点の一つです。

月刊アイソスで2019年10月から連載されている「包材のポジティブリスト化 食品に関連する産業全体へのインパクト」に、一般社団法人 食品品質プロフェッショナルズ会員が執筆した記事が掲載されました。

月刊アイソス 2019年11月号 執筆 / 新井 万由(当協会 個人会員・講師)

冒頭紹介

はじめに

2018年6月13日に食品衛生法の一部を改正する法案が可決して以降、食品業界はHACCP制度化等、非常に対応に追われています。その中でも、「容器包装のポジティブリスト導入」については、当初の政省令案の公布が遅れていることもあり、焦りを感じている事業者や、どのような取組みをすれば良いのか分からず対応に着手できていない事業者が散見されているように思われます。現状の法改正スケジュールでは2020年6月1日に施公予定ですが(図表1)、中小企業や海外から輸入している事業者だと、数年間分の包材を買い込んでいる場合があり、1年以内の短い期間に対応できるか疑問が多いところではあります。ただ、消費者目線で見ると、容器包装、特に合成樹脂・プラスチック製品のものについて「成分が溶出しているのではないか」、「容器由来の成分を食べ続けても問題はないのか」といった不安の声は以前からあり、アメリカや中国などの先進国ではポジティブリスト制はすでに導入されています。加速するインバウンドや2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2025年の大阪万国博覧会等、国際化に合わせた対応をしなければならないのは避けられないことでしょう。

さて、私は検査業務やJFS審査を行っている、とある衛生プロバイダーに勤めているものです。この立場から、分析機関の包材分析やJFS等の食品安全マネジメントシステムでの審査における目線について、現状を記載させていただければと思います。

包材成分分析の現状

まず、食品衛生法第4条において、「器具とは飲食器、割ぽう具その他食品又は添加物の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受または摂取の用に供され、かつ、食品又は添加物に直接接触する機械、器具その他の物をいう」、「容器包装は食品又は添加物を入れ、または包んでいる物で、食品又は添加物を授受する場合そのままで引き渡すものをいう」と規定されています。現在、容器包装の規格基準は2つの法令で定められており、1つは「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」の別表4にある「乳等の器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の規格及び製造方法の基準」、もう一つは「食品、添加物等の規格基準(厚生労働省告示第370号)」第3にある「器具及び容器包装」です。

乳等省令の容器包装に関しては内容物によって分類され、牛乳・クリームなどの第1群、調整液状乳・発酵乳・乳飲料などの第2群、調製粉乳の第3群としてそれぞれの規格基準があります。

厚生労働省告示第370号 第3では「A 器具若しくは容器包装又はこれらの原材料一般の規格」にて、主に器具・容器包装全般に関わる規格を定めており、器具における銅、鉛、メッキ用スズ、アンチモン、合成着色料、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)の規制等が記載されています。「B 器具又は容器包装一般の試験法」にて溶出試験の試験養液調製法、蒸発残留物試験法、過マンガン酸カリウム消費量試験法、強度等試験法、添加剤試験法、モノマー試験法等が定められています。そして「D 器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の材質別規格」第2項において、合成樹脂の規格が定められています。一般規格がカドミウム、鉛、重金属、過マンガン酸カリウム消費量は全ての合成樹脂が対象となっており、フェノール樹脂・メラミン樹脂・ユリア樹脂やポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等、一部の合成樹脂成分は個別規格が存在します(図表2)。また、一部の業界団体では個別にポジティブリスト制を導入し、特定の樹脂成分に対して規格基準や試験法を設けています(次頁図表3)。

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