包材のポジティブリスト化に対し、特に小売業界での対応について【月刊アイソス】

包材のポジティブリスト化に対し、特に小売業界での対応について【月刊アイソス】

包材のポジティブリスト化は、食品衛生法の一部改正に伴い、HACCPの制度化と同様、食品業界から注目されている改正点の一つです。

月刊アイソスで2019年10月から連載されている「包材のポジティブリスト化 食品に関連する産業全体へのインパクト」に、一般社団法人 食品品質プロフェッショナルズ会員が執筆した記事が掲載されました。

月刊アイソス 2020年1月号 執筆 / 新 武司(当協会 個人会員・講師)

冒頭紹介

はじめに

2018年6月13日に食品衛生法等の一部を改正する法律が公布されました。今回の改正では大きく7つの項目が挙げられており、その中の1つが食品用包材・器具のポジティブリスト化です。その後、2019年10月9日に公布された政令で、ポジティブリスト化の施行期日が2020年6月1日と定められ、また、対象の素材が合成樹脂と定められました。(図表1)

包材のポジティブリスト化を考える前に、改めて今回の食品衛生法等の改正の概要を見ていきましょう。

厚生労働省の資料では、今回の改正の目的として「国際標準との整合性」が挙げられています。本連載のテーマとしている包材のポジティブリスト化や、現在、食品事業者にとって大きな関心事となっているHACCP制度化を通し、日本の食品の安全性を国際的に示したいという意図が伺えます。(図表2)

では、なぜ国際標準との整合性が必要なのでしょう?

その理由を一言で表しますと、「産業としての日本の食品が国際競争で負けないため」です。日本の人口が減少を続けている、つまり、国内の市場規模が縮小し続けている状況では、国外に市場を求めていくことは国として当然の流れですが、個々の事業者レベルで考えると、安全性と大いう最低限のことが満たせない状況で、国際競争に勝てる訳がありません。

さて、食品を販売用の製品として見たとき、それは一定の品質を満たす必要があります。品質という言葉はJIS Q9000:2015では次のように定義されています。

品質(quality)

対象に本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度

この「特性」というものは大きく3つに分類できると筆者は考えています。(図表3)

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