コロナ騒動の中の緊急提案 特に外食・中食産業の保全の観点から

コロナ騒動の中の緊急提案 特に外食・中食産業の保全の観点から

一般社団法人 食品品質プロフェッショナルズ
代表理事 広田鉄磨
2020.3.25

キーメッセージ

外食業界では 現在 従業員のマスク着用や 客・従業員両方の手指消毒に傾注したコロナ対策が行われていますが 飲食の場の安全を確保するという観点からは 効果は間接的なものにすぎず それよりも 換気を強化することが 問題の根本を解消する手段となっていくことでしょう。

前書き

昨今は コロナウィルスが大きな話題として取りざたされています。その中で モノの見方も大きく分かれ 死亡率はSARSの10%よりはるかに低い(この原稿を書いている3月時点ではWHOの推定で3~4%)のだからあまり神経質になることはない という楽観的な立場をとるものから、 コロナ肺炎の伝播の速度が非常に早く これはスペイン風邪に匹敵する犠牲者をだすパンデミックである。スペイン風邪の時に比べて人口は大きな伸びを見せており かつ 我々の生活様式もさらに密集したものに変化しているため 死者の数も対数的に増加するだろう、医療体制の崩壊は目前のものであり 死者の数は火葬場の処理能力をもはるかに上回り 死体はそこらに山積みとなっていくという超悲観的な立場をとるものまで 広いレンジにわたっています。

観測の錯そうする中 学校の一斉休校、会合の禁止、自宅待機、テレワークの推奨、外出の禁止、国境の閉鎖に代表される密集状態・移動の制限というグローバルスケールでの対応策やら 手指消毒薬、マスク、トイレットペーパー、保存のきく食料品のパニック買いという個人による防衛策が同時に進行しています。日本国内でも起きていますが コロナヘイトとでもいうべき 差別的な言動・行動、アメリカでは 社会不安にそなえて 個人による銃の購入の加速といった これはウィルスによる災害というよりは すでに人災へ移行中ではないかという予感すらします。

マスクが グレードには無関係に店頭で売り切れとなり アルコール殺菌剤はアマゾンなどでも品切れし、 マスクの転売禁止令がだされたり、 危機にあたって 「藁にすがりたい」という心理状態で かつ 「あっちで人が死んでいる、こっちでも死んだ、明日は我が身」という恐怖感にあおられた場合には いかに非合理な行動に走るのかの 一つの代表例を示してきているといっていいでしょう。この緊急提案では このような まさに 心理的な恐慌状態にあって 正しいリスクコミュニケーションというものが機能しづらくなった現在の状況下で 我々が 社会として どうやって正しい行動を選択できるのかを 食品という側面から語ってみたいと思います。

今 我々の食生活 特に外食産業は存亡の危機に立たされています。ただでさえ客が激減している店舗が多いばかりではなく 店員が全員マスクを着用していたり 何でもかんでもアルコール消毒したり 何でもかんでも包装された商材へと切り替えたり と かえって客の不安感を増幅するような営業をして それが さらに客足を遠ざけるような事態を招いていませんでしょうか。コロナウィルスの終息の後には 我々は また豊かな食生活を急いで取り戻したいと願うことでしょう。それどころか コロナが席捲しているこの期間にも 生命維持のための栄養の補給ラインを維持することは 我々の社会にとって不可欠です。コロナ終息の前に 外食・中食というライフラインの崩壊を招かないように コロナ終息の後には ただちに 幸福感をもたらす豊かな食生活を復活させることができるように 社会として外食・中食産業を保全することが求められているといっていいでしょう。そして事業者側としては めったやたらと有効性のない対策を実施していくのではなく 選択と集中によって社会資源の浪費を抑え かつ 正しいリスクコミュニケーションを消費者に対して行っていくことで 企業としての存続を脅かすほどの収支の異常な悪化を防止し 自らが生き延びる道を確かなものにしていくべきではないでしょうか。

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