NPO法人 食品保健科学情報交流協議会顧問の関澤純先生による、「福島第一原発処理水」に関する論文です。関澤先生の許可をいただきましたのでご紹介・共有させていただきます。
関澤先生からの当会代表理事へのメッセージ
広田先生
昨年は不手際がありご迷惑をおかけしたにもかかわらずお付き合い頂きありがとうございました。さて昨年私が学会の企画セッションで発表した内容を肉付けして総説論文として投稿、掲載が決まりましたので、添付でお送りします。
リスクコミュニケーションの本質と深くかかわるテーマのひとつですが、いわゆる「科学的評価」と社会的意思決定の関係について食品に限らずリスク問題では、「科学」はある分野から一面を切り取って緻密な分析から結論を導くものですが、リスクをめぐり実は多様な問題が存在し、その全容を俯瞰して判断をしないと間違った結論に終わる可能性があります。
トリチウム水問題もトリチウム発がん可能性という一側面だけから見た議論で押し切る傾向がありますが、背景にはメルトダウン炉の管理と廃炉処理が適切に進められず、非常なリスクを内蔵したまま、処理水の海洋放出強行が当然の結論とされ、周辺を巡る議論は置き去りにされています。
リスクコミュニケーションにとり対話が重要という観点からは、多様な側面から問題を掘り下げて議論して判断が下されないといけないのでは考えます。限られた紙数内にまとめた拙文ですが、関連テーマも含めご感想をお聞かせ頂ければ幸いです。
関澤 純
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